SEO対策とは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)対策の略で、ネット検索されたときにWebサイトのページを上位表示させるための対策のことです。
この記事では、SEO対策の概要から具体的な方法までを徹底解説しています。
Webサイトをせっかく持っていても、アクセスされなければ存在しないのと同じことになってしまいます。
Web集客の一手段としてSEO対策をしっかりと行い、あなたのサイトの集客力を高めましょう。
SEO対策が重要な理由
検索エンジンでの上位表示の重要性は、このグラフが表しています。
ネット検索で1位表示されれば、検索した人の約33%がページに来てくれますが、10位表示だと約1.5%の人しか訪れません。2ページ目、3ページ目での表示となれば、クリックされる可能性はさらに低くなります。
せっかくWebサイトを持っていても、上位表示されなければ存在しないのと同じことになるのです。
SEO対策はGoogle対策
現在、検索エンジンのシェアのほとんどをGoogleが占めています。
検索エンジンにはGoogle、Yahoo!、Bingなどがありますが、日本ではGoogleが約75%のシェアをとっています。また、20%を占める2位のYahoo!は2011年からGoogleの検索技術を使っているため、実質、ネット検索の仕組みはGoogleが決めていると言えます。
検索結果の順位は、ある基準(アルゴリズム)をもとに決められるため、Googleがどんな基準でランク付けをするのか知っておかなければ上位表示はほぼ見込めません。
次は、SEO対策のメリットとデメリットについて見てみましょう。
SEO対策のメリット・デメリット
どんな手段にもメリットとデメリットがあります。それらを十分に把握した上で、様々な施策とSEO対策を併用していきましょう。
SEO対策のメリット
それではまず、メリットから見ていきましょう。
コンテンツが資産になる
SEOを意識しながらサイトにコンテンツをアップしていくことで、コンテンツは蓄積され、そこにネットユーザーが訪問し続けてくれることになります。
コンテンツを蓄積していくことでサイトの集客力が強まり、その効果も長期的に期待できるようになります。
購買意欲の高い顧客を得やすい
あなたは電話営業やダイレクトメール、さまざまな広告にうんざりしたことはありませんか?これらはすべて、企業から顧客に一方的に行われる情報発信であるため(こういった手法をアウトバウンドマーケティングといいます)、企業が提供するものと顧客のニーズが一致しないことが多いです。
反対にSEO対策でターゲットにするのは、ネット検索をする人たちです。ネット検索をする人とは、言い換えると自分から情報を取りに行っている人たちなので、そもそも「何かを求めている」わけです。このようにニーズがある人たちをWebコンテンツなどを通して引きつける手法を、インバウンドマーケティングといいます。
ニーズとあなたが提供する情報が合致すれば、成果に繋がりやすいのは想像しやすいと思います。
それを裏付けるように、SEO対策はアウトバウンドでのアプローチと比べ、8倍の成約率があったというデータがあります。
SEO対策のデメリット
効果が出れば強力な集客手段となるSEO対策。しかしメリットばかりではありません。デメリットについて見てみましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
SEO対策は検索エンジンで上位表示されることが目的であるため、検索エンジンにページを認識してもらう必要があります。
特にコンテンツが少ないうちは検索エンジンに認識されにくいため、SEO対策を意識しながらまずはコンテンツの量を増やしていくことが重要です。
Googleの公式ページでも、SEO対策を行って成果を得られるようになるまで、通常4カ月から1年かかると書かれています。
したがって、サイトでの集客を目指す場合、立ち上げ初期は広告での露出を多めにしながらコツコツとコンテンツを積み上げ、SEOの成果が見え始めたら広告活用の割合を減らすといった戦略も1つでしょう。
SEOではマンパワーが必要
SEO対策にはコンテンツの量を増やしていく必要があると述べましたが、コンテンツを増やしていくのは、人です。
そのため、どうしてもコンテンツ作成にはマンパワーが必要になります。
作るのが面倒だと思って他のサイトからのコピペでコンテンツを作っていくと、著作権の問題にもなりますし、Googleからペナルティを受けることにも繋がってしまいます。
コンテンツ作成のプロセスを効率化させながら、とにかく積み上げていくことが重要です。
このようなメリットとデメリットを把握した上で、他の集客手段と併用してSEO対策を行っていくことが重要です。
Googleが重要視していること
Googleは、下記のようなことをランク付けで重要視していることを明記しています。(検索アルゴリズムの仕組みより)
・ユーザーの検索意図を満たしているか
・検索語に一致する情報が含まれているか
・内容の信頼性や権威
・外部サイトからの被リンク
・コンテンツの新鮮さ
・検索キーワードが出現する回数
・様々なデバイスでの表示に対応しているか
・ページの読み込み速度
ここでは、「内容の信頼性や権威」について解説します。
コンテンツのカギ、E-A-T
Googleは、検索品質評価ガイドラインの中で、E-A-Tをページの評価基準の1つとしています。
E-A-Tとは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったものです。
ざっくり言うと、「信頼性のあるコンテンツを作ってくださいね。」ということです。
今はネット上に誰でも情報を発信できます。しかし、中にはいい加減なものや嘘の情報などが含まれているのが現状です。
日本では、2016年にWELQというキュレーションサイトが根拠のない医療情報や他のサイトのコンテンツをコピペして提供していたことなどが大きな問題となり、サイトを閉鎖することになりました。
こういったことを起こさないために、GoogleはE-A-Tを重要視することを明示しています。
E-A-Tが特に重要視されるのが、YMYLのジャンルです。
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、生活やお金に関連するジャンルのことです。
具体的には、「ニュース・時事問題」、「公共サービス、法律」、「金融」、「ショッピング」、「健康・安全」、「人種や民族など人々のグループに関すること」などの分野を指します。
このようなジャンルを扱うサイトの場合は特に、しっかりとした根拠のもとにコンテンツを作成することが求められています。
SEOで非推奨とされること(ペナルティを受ける可能性)
Googleは、ウェブマスター向けガイドラインの中で、SEO対策における非推奨事項を明記しています。
以前は検索エンジンの精度が低かったため、検索エンジンをだますような手法でページを上位表示させることが出来ました。こういった手法をまとめてブラックハットSEOといいます。
たとえば、無理やり被リンク(外部サイトからのリンク)を増やすような手法です。
被リンクをもらうということは、「そのページが他のサイトの参考になるほど価値のあるもの」として、今もランク付けの基準の1つとされています。
かつてはそれを逆手にとって、リンク業者にお金を支払い、その業者が持つ複数のサイトから自社のページに被リンクを張ってもらい上位表示させるといった方法が通用していました。
しかし今は検索エンジンの精度が上がり、このような手法をとるとペナルティを受け、検索結果から抹消されてしまいます。
他にも非推奨の手法はいくつかありますが、重要なのは「無理やり上位表示させる施策をしないこと」です。
ガイドラインを守り、ユーザーのために質の高いコンテンツを提供することに専念しましょう。
検索エンジンの仕組み
SEO対策を行う上で、検索エンジンがどんな仕組みで検索結果を表示するのか知っておかなければいけません。検索結果を生成するステップは、クロール、インデックス登録、ランキングの三段階で行われます。
クロール
検索エンジンは、1つ1つのページの情報を集めるためにクローラー(スパイダーともいいます)を使ってWeb上を巡回しています。このことをクロールと言います。
クロールの目的は、検索エンジンがページを見つけ、コンテンツ(文字、画像、ビデオなどのデータ)を認識することです。
インデックス登録
検索エンジンがクロールによってページを見つけたら、次はそのページの文章や動画、画像などの情報をデータベース(インデックス)に登録します。
適切にインデックス登録してもらうために、下記のことが推奨されています。(Google検索の仕組みより)
・短くわかりやすいページタイトルを作成する
・ページの内容が伝わる見出しを付ける
・画像ではなくテキストを使用して内容を伝達する(画像を使う時には代替テキストをつける)
ランキング
ユーザーが何らかの検索を行うと、検索エンジンはインデックスから検索語に関連するページを見つけて、順位づけし検索結果として表示します。これがランキングです。
ランキングは、検索アルゴリズムをもとに決められます。
検索アルゴリズムは頻繁にアップデートされています。そのため、ある検索語で検索結果の1ページ目に入っていたコンテンツが、アップデート後に表示されなくなるといったことも起こり得ます。
ただ、Googleがアルゴリズムアップデートを行う理由はあくまでネットユーザーが快適にネット検索を出来るようにするためです。
したがって、ネットユーザーにとって有用なコンテンツを作り、検索エンジンが適切にクローリング、インデックス登録できるようなサイト構造にすることが一番のSEO対策です。
ではここから、SEOの実践について解説していきます。
SEO対策はサイトの方向づけから始める
SEO対策をしていく上でまず第一にすべきは、「どんな分野のトピックを扱うのか」「どんな人をターゲットにするのか」といったサイトの方向性を決めることです。
方向性が決まることで、扱うトピックに一貫性が生まれます。それによるメリットは以下です。
・サイト構造が整理しやすくなる。
・ページ同士の関連性ができ、内部リンクが張りやすくなる。
・ブランディングがしやすくなる(ユーザーから認知を得やすい)
キーワード選びと役立つツール
サイトの方向づけが決まれば、次にやるべきは上位表示を狙うキーワードの選定です。
日記のようなページの場合には必要ありませんが、あくまでネット検索での上位表示を狙うのであれば、そのページのキーワードを明確にしなければいけません。
キーワードは、1ページにつき1キーワードにしましょう。複数の単語をまとめたフレーズも1キーワードに含みます。
例えば、ターゲットキーワードを「英会話 ネイティブ 福岡市博多区」とする場合には、福岡市博多区でネイティブスピーカーに英会話を教えてもらいたい人をターゲットにしているのがわかります。
このようにニッチな検索語のことをロングテールキーワードといいます。
ユーザーがネット検索した時に魅力を感じるページというのは、検索意図を汲んでいるコンテンツです。
ページ内にユーザーの検索意図と関係のない文章が多ければ、ユーザーはすぐに他のサイトへと移ってしまいます。
キーワードを決めるときにはツールの活用をおススメします。思いつきで考えても、そのキーワードのニーズや競合の程度などはわかりません。
では、キーワード選びで役立つツール・サービスをご紹介します。
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、検索画面の検索窓にキーワードを入力した時に表示される検索候補のことです。
サジェストキーワードは、ネットユーザーの検索頻度などをもとに生成されるため、ユーザーのニーズを把握する強力な手段です。
たとえば、あなたがハワイでの挙式を取り扱う旅行代理店のスタッフだとします。
ハワイでの挙式に興味を持つ人がどんなキーワードで検索しているのか、サジェストキーワードでわかります。
これらのキーワードをもとに、「ハワイ挙式の費用について」や「ふたりだけのハワイ挙式」といったタイトルでコンテンツを作っていくのも1つの方法です。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを参考にする
Q&Aサイトには、ユーザーが本当に困っていることが投稿されています。
たとえば、Yahoo!知恵袋で「ハワイ 挙式」と検索すると、このように過去の質問が表示されます。
検索結果には閲覧数も表示されているため、そのトピックのニーズの1つの目安にもなります。
Q&Aサイトには色々なものがあるため、あなたのターゲット層が集まりそうなQ&Aサイトを見つけて、その中でキーワードを拾っていくといいでしょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Googleが広告主向けにキーワードの検索ボリュームや関連キーワードなどを提供するツールですが、無料でも使えます。
「ハワイ 挙式」で検索すると、関連するキーワード、月間の検索ボリュームやキーワード毎の競合性などが表示されます。
Ubersuggest
Ubersuggestは、アメリカで有名なマーケターであるNeil Patel氏が提供するキーワード調査ツールです。日本語にも対応しています。
このツールでも、関連キーワードや検索ボリューム、競合性を調べることが出来ます。
このように、キーワードをデータと照合しながら決めることで効率的・効果的に上位表示が出来るようになります。
SEO対策3つの柱(オンページ・オフページ・テクニカル)をみっちり解説
キーワードが決まれば、それを中心にページの組み立てを考えていきます。SEO対策には、3つの柱があります。
・オンページSEO(内部対策)
・オフページSEO(外部対策)
・テクニカルSEO(技術的対策)
それぞれ見ていきましょう。
オンページSEO(内部対策)
オンページSEOとは、ページ内を検索エンジンとユーザーに向けて最適化する対策です。
オンページSEOには、以下のものがあります。
・良質なコンテンツ
・タイトルの最適化
・適切な見出しの使用
・メタディスクリプションで概要を説明
・わかりやすいURL
・テキストを使った内部リンクを張る
・画像に代替テキストをつける
良質なコンテンツ
これはコンテンツを公開する上での最優先事項です。
Googleは、このようなことを明記しています。
Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。
Googleが掲げる10の真実より
Googleは崇高な理念のもと、サービスを提供しています。
それに加えもう一つ重要なことは、Googleは検索エンジンというプラットフォームの中に沢山のユーザーを抱え、そこでの広告ビジネスを収益源としています。
ユーザーにとって有益なコンテンツがネット上にたくさんあれば、それだけユーザーがネットを活用する時間は増え、Googleの広告収入にも繋がります。
そういった面も考えると、コンテンツの質がランキング要因として重要なのは納得ができますね。
タイトルの最適化
ページにおけるタイトルとは、検索結果で表示されてクリックされる部分です。
タイトルタグをつける上でのポイントは以下です。
・32文字以内にする
長すぎるタイトルは、検索結果で表示されたときに途切れてしまいます。
・タイトルタグにはページのターゲットキーワードを入れる
タイトルタグは、そのページの端的な要約です。検索エンジンとユーザーに対して、何について書いているのかが伝わるよう、ターゲットキーワードを入れましょう。
・ターゲットキーワードはタイトルの先頭に寄せる
以前は検索エンジンのためにターゲットキーワードを先頭に寄せることが推奨されていました。
現在では検索エンジン向けの効果はないようですが、検索者の意図を考えると、検索したワードが先頭にあった方が視認性も上がり魅力的です。
もし、より魅力的なワードがあればそちらを先に入れてもいいでしょう。
適切な見出しタグ
見出しタグは、ページの内容と構造を表すもので、本の目次のようなものです。
・h1タグはページに1つだけ使用する
h1タグは、そのページの大見出しです。大見出しを複数使うと、ユーザーの注意は分散してしまい、わかりにくいページになってしまいます。1ページに1つだけ使用するようにしましょう。
・h1から順番に使う
h1は大見出し、h2は中見出し、h3以下は小見出しです。h2の前にh3が来ることは不自然ですよね。
GoogleのシニアアナリストであるJohn Mueller氏は、見出しタグ自体は以前のようにランキングへの直接的な要因ではなく、コンテンツを検索エンジンに伝えるのに役立つものと述べています。
直接的なランキング要因ではないものの、適切な使い方をしておいた方がいいと言えます。
meta description(メタディスクリプション)でページ概要を説明する
meta descriptionとは、検索結果の画面でタイトルの下に表示される文章です。
タイトルはページの中身を最も端的に表すものですが、ディスクリプションは少し詳しく説明するものです。
meta descriptionは検索エンジンのランキング要因ではありません。しかし、検索結果が表示されたときに適切なディスクリプションがあれば、ユーザーはページの内容を把握しやすくなります。ユーザーの約63%において、meta descriptionの内容がクリックに影響しているというデータもあります。
meta descriptionは120字以内で設定しましょう。
テキストを使った内部リンクを張る
検索エンジンの仕組みの項目でクロールの話をしましたが、検索エンジンがページを認識する時の方法の1つが、ページ間のリンクです。リンクがあることによってクローラーはサイト内を巡回しやすくなります。
また、リンクにはリンク先のページタイトルなど、リンク先のページの内容がわかる文字を使いましょう。画像ではなく、文字を使うのがベストです。
検索エンジンは画像よりも文字を認識する方が得意なため、リンク先のページ内容を把握しやすくなります。
画像に代替テキストをつける
画像に代替テキスト(altタグ)をつけることで、検索エンジンはそこに設定した文字情報を読み取れるようになります。画像が表す内容をaltタグで設定して、検索エンジンに認識してもらいましょう。
オフページSEO(外部対策)
オンページSEOは、ページ内を最適化するものでした。オフページSEOは、自分のサイト以外で行う対策のことです。
具体的には以下の3つからなります。
・被リンクの獲得
・SNSでの拡散
・リンクなしの引用・言及
被リンクの獲得
Googleが重要視していることの項目でも触れましたが、外部サイトからの被リンクは、ランク付けの要因の1つとされています。
被リンクは、ページへの投票だと捉えると分かりやすいでしょう。検索エンジンは、多くの被リンクを獲得している(=投票されている)ページを良質なコンテンツがあるページだと判断します。
被リンクには重要な要素があります。
・被リンクの数
・リンク元の人気度(アクセス数)
・リンク元の信頼度
・リンク元とリンク先の話題の関連性
・アンカーテキスト(文字を使ったリンク)
例えば、あなたがページ内で言及しているような、ある分野について有名なサイトから被リンクをもらえば、あなたのページは検索エンジンから良質なページと判断されるということです。
SEOで非推奨とされることの部分で解説しましたが、悪質な方法で被リンクを張るとペナルティを受けるため、あくまで外部から自然な形で被リンクをもらわなければいけません。
そのためには、リンクをもらえるような良質なコンテンツを作ることが重要です。
SNSでの拡散
SNSでの拡散は、直接的なランキング要因ではありません。そのことは、Googleが公式に説明しています。
しかし、SNSは間接的にはSEO対策において重要です。
なぜなら、SNSを通してコンテンツに多くの人が触れる可能性があり、それによって外部サイトからのリンクをもらえる可能性があるためです。
ちなみに、Facebookからのリンクにはnofollowというものが付けられており、これは検索エンジンに「リンクをたどらないで」と伝えるためのものです。
SEOにおいては、SNSは直接的な被リンク効果はなく、あくまで認知度を高めるためのものだと捉えておきましょう。
リンクなしの引用・言及
Googleの検索エンジンは、リンクを張っていなくても、名前やコンテンツを引用・言及されていれば、それもシグナルとして拾い上げます。このことは、Googleの特許で触れられています。
SEOの外部対策は直接コントロールできない部分ではありますが、効果は絶大です。
その源になるのは、あくまで良質なコンテンツです。良質なコンテンツを作り、それをSNSなどを通して外部へ発信しましょう。
テクニカルSEO(技術的対策)
では、SEO対策3つの柱の最後、テクニカルSEOについてです。
テクニカルSEOは、検索エンジンがサイトを効果的にクロールし、インデックス登録できるようにすることで上位表示を目指す技術的な施策です。
具体的には以下のようなものがあります。
・XMLサイトマップの設置
・URLを正規化する
・構造化データを送る
・スマホ対応する
・ページの表示スピードを上げる
・リンク切れをなくす
・https化(SSL化)する
ピックアップして解説します。
XMLサイトマップの設置
XMLサイトマップは、サイト内にあるページのURLなどを記述したファイルです。サイトマップを設置することで、検索エンジンにページを認識してもらいやすくなります。
GoogleのアナリストであるGary Illys氏は、サイトマップはページを見つけるのに2番目に重要な情報源と述べています。
URLを正規化する
「URLの正規化」と言っても、何のことかわからないという方も多いかもしれません。
正規化の話の前に、検索エンジンのページの認識について少し解説しておきます。
検索エンジンは、サイト内に同じ内容のページがあるとそれらを重複したコンテンツとして認識します。そしてGoogleは重複コンテンツを嫌います。
その理由は、似たようなページを量産することで検索エンジンでの上位表示を狙うというような、不正なSEO対策(ブラックハットSEO)に繋がる可能性があるからです。
重複コンテンツとなるのは、以下の場合です。
・他のサイトと同じようなコンテンツ
・サイト内での同じようなコンテンツ
どちらもタイトルや文章が重複しないようにすることで意識的に防ぐことは出来ます。
注意すべきは、無意識に重複コンテンツを生成してしまうケースです。
その原因は、URLの違いにあります。
以下のURLは全部似ているようですが、すべて違うページとして検索エンジンには認識されます。
「index」の有無
https://example.com/
https://example.com/index.html
URL末尾の「/(スラッシュ)」の有無
https://example.com
https://example.com/
「www」の有無
https://www.example.com/
https://example.com/
コンテンツを1ページだけ作ったつもりが、知らない間に上記のような複数のURLを割り当ててしまっているために、重複コンテンツになる可能性があるのです。
したがって、どのURLに統一するのかを指定しないといけません。
そのために行うのが、URLの正規化です。
URLの正規化には、canonicalタグの使用や301リダイレクトなどの方法があります。
スマホ対応
2018年にGoogleはページがスマホ対応しているかどうかをランキング要因にすることを発表しました。
ウェブマスター向け公式ブログ:モバイルファーストインデックスを開始します
現在ではPCよりもスマホからのアクセスの方が多いため、スマホでの閲覧のしやすさが重要視されています。
Googleのモバイルフレンドリーテストツールを使えば、あなたのサイトがスマホに対応出来ているかが判定できます。
ページの表示スピードを上げる
ページの表示速度が1秒から3秒へ低下すると、ユーザーの直帰率は32%上昇すると言われています。(Think with Googleより)
また、Googleは2018年に、ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使うことを発表しています。
SEOで重要な表示速度はGoogleが提供するPageSpeed Insightsで簡単に計測できます。
スコアは100が満点です。
上の画像は、PageSpeed Insightsでこのサイト(TODOKEL)を計測した時のスコアです(本記事公開時点)。読み込み速度高速化のために色々な施策をしています。
PageSpeed Insightsについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
PageSpeed Insightsとは?ページ表示速度の計測と簡単に出来る改善法HTTPS化(SSL化)する
URLは、httpsもしくはhttpで始まります。httpsであれば、ユーザーとサーバー間でやりとりするデータは暗号化されるため、第三者からの盗聴や改竄を防ぐことが出来ます。
また、2014年にGoogleはHTTPSをランキングシグナルにすることを発表しました。
SEOに強いサイト構造とは?
1つ1つのSEO対策に加えて重要なのが、サイトの構造です。
せっかくここまで解説してきたような対策を行っていても、サイト構造が悪ければ集客力を発揮するのは難しくなってしまいます。
SEOに強いサイト構造とは、以下のポイントを抑えているものです。
・階層が浅い
・コンテンツが分類されている
・内部リンクが張られている
これらの条件を満たすことで、検索エンジンはサイト内をクロールしやすく、ユーザーにとってもわかりやすいサイトになります。
階層が浅い
階層が浅いサイトは、検索エンジンがクロールしやすく、ユーザーにとっても分かりやすいものになります。
検索エンジンは、シンプルなサイト構造を好みます。そのことについてはGoogleのJohn Muller氏が言及しています。
また、検索エンジンは浅い階層ほど重要なページと認識するため、せっかくいいコンテンツを作っても深い階層に置いておけば宝の持ち腐れになってしまいます。
具体的には、トップページから3クリック以内ですべてのページにたどり着けるのがベストと言われています。
下の図は、悪いサイト構造の例です。階層が深く、リンクが切れているページもあります。
これでは検索エンジンがクロールしにくくなってしまいます。
コンテンツが分類されている
SEOに強いサイト構造の条件、2つ目は「コンテンツが分類されている」です。コンテンツが分類されていれば、ページ同士の関連性がわかりやすくなります。
そのために重要なのが、カテゴリーページです。カテゴリーページは、1つ1つのページをまとめる役割を持ちます。
カテゴリーページがあることで、ユーザーは自分が知りたい分野のページにたどり着きやすくなります。
内部リンクが張られている
SEOに強いサイト構造の条件、3つ目は「内部リンクが張られている」です。オンページSEOのところで解説したように、内部リンクがあることによってクローラーはサイト内を巡回しやすくなりますし、ユーザーも他のページを見つけやすくなります。
内部リンクで気をつけるべきは、無理やりリンクを増やそうとしないことです。検索エンジンからスパム行為と見なされ内容、文脈に沿った自然なリンクにしましょう。
サイト構造の補足として、パンくずリストもサイトに重要な要素です。
パンくずリストとは、コンテンツの階層をリスト表示したものです。いまサイトのどこにいるのかが分かる、ナビゲーションです。
パンくずリストがあることによって、ユーザーがサイト内のどこにいるのかが分かりやすく、内部リンクを張ることにもなるのでSEO効果もあります。
まとめ
SEO対策には様々な項目があります。このページで解説した内容はその中でも重要なものばかりです。
SEO対策は最初は効果が出るまで時間がかかりますが、効果が出ればあなたのビジネスを強力に後押しする武器になります。
まずはこのページの内容をしっかりと理解し、1つずつ実践していきましょう。
この記事が「参考になった」と思われたら、あなたの身近な皆さんにシェア頂けると幸いですm(__)m
当サイト(TODOKEL)は、少しでも有益なコンテンツを届けていきたいと思っています。
SEO対策だけでなくデジタルツール全般でのマーケティングに興味のある方は、こちらのコンテンツがおススメです。
デジタルマーケティングで知っておくべき「いま求められていること」
最近の研究で、モバイル検索結果の71%、デスクトップ検索結果の68%でmeta descriptionが書き換えられていることが分かりました。(Study:How Often Google Ignores Oure Meta Descriptionsより)